電気代高騰の危機を乗り越える!茨城県の食品メーカー:独自の自家消費型太陽光発電の導入事例
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サムネイル画像(近隣建物の屋根に設置した太陽光発電パネル("となりの太陽光") の写真)
出典:株式会社リバティーフーズ
はじめに
2022年のロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、エネルギー価格が世界的に高騰し、日本の経済にも大きな打撃を与えました。
日本の企業、とりわけエネルギー価格高騰に伴うコストの増加を商品価格に転嫁しづらい中小企業は苦境に立たされました。
茨城県と福島県に3つの工場を保有し、大手コンビニエンスストア向けのパンを製造する株式会社リバティーフーズもまた、エネルギー価格高騰に直面した企業のひとつです。
同社が契約していた新電力会社がウクライナ危機の影響で事業撤退し、一般送配電事業者の最終保障供給契約で電力を調達することになった際に、電気代が半年分で約7000万円(前年比1.8倍)も増える深刻な事態に直面したといいます。
この急激なコスト増への危機感が、電力調達の見直しのきっかけとなりました。
取り組みのポイント1:電力契約の切り替えだけでCO2排出実質ゼロ達成
同社は2025年4月にすべての事業所の電力調達契約を変更しました。偶然にも100%再生可能エネルギー(以下、「再エネ」といいます。)のメニュー(排出係数:0.000)を採用したことで、使用電力はCO2排出実質ゼロを達成。将来的に取引先から求められるであろうCO2削減の要請にも先んじて対応できる形となりました。
同社の3つの工場で使用しているエネルギーの構成比は、電力が64.5%、液化天然ガスが35.5%となっており、2013年度のCO2排出量と比較して68%の削減(現行計画比で60%減)が実現できました。
同社の鳥山雅庸社長は、「元々電気代の削減が目的で、再エネ100%を目指していたわけではありませんでしたが、契約を変えただけでCO2排出がゼロになるなんて、『棚からぼた餅』のような気分でした」と語りました。

提供写真(右:鳥山社長)
取り組みのポイント2:隣の他社倉庫の屋根を借りた大規模太陽光発電の自費導入
さらに電気代を削減できるかもしれないと、茨城の自社工場に太陽光パネルを設置するための補助金を申請したものの、同社はあえなく落選。しかし「太陽光パネルの価格が非常に安くなっており、このタイミングを逃したくない」と導入を諦めませんでした。
また、茨城の自社工場の屋根には煙突などの設備がある上に、パン工場ゆえに油煙で屋根が汚れやすいなど、太陽光パネルを載せるにはそこまで良い条件ではなかったことから、自社工場の隣にある他社が所有する大型倉庫の屋根に着目しました。
道1本を隔てて立地する大型倉庫の屋根を借りて、道をまたぐ自営線を引き、補助金を使わずに自費で太陽光パネルの設置を実現させました。 2025年8月に太陽電池モジュール容量 1.6MW(DC) / パワーコンディショナ出力 1.3MW(AC)の大規模な自家消費型太陽光発電の運用を開始しています。

出典:株式会社リバティーフーズ
同社の工場は24時間365日稼働していますが、天候の良かった2026年5月には1カ月の使用電力量の約35%を太陽光発電で賄うことができました。日射量が少なかった2025年11月でも約19.5%をカバーできています。2025年9月から2026年6月までの電気代の削減効果は約2500万円となっており、十分に投資回収が見込めるといいます。

提供画像(茨城工場の電力量推移)
鳥山社長は、「自家消費をする太陽光は、補助金を活用できなくても、導入メリットを出せます。経済か環境か、どちらが主でもいいと思いますよ。どっちもやればいいし、やらない理由はないです。私は生データもしっかり見せていますし、説得力があると思います。自分のところに太陽光パネルを載せるなら、自分で投資とリスクを考えればいい。経営者は常にそれをやっていますから」と話しました。
取り組みのポイント3:リスクを低減する「軽量パネル」の採用
太陽光パネルを選ぶ際、地震発生時の建物の倒壊やパネルの落下リスクを最小限に抑えるために、通常のガラス製の半分以下の重さの、ポリカーボネートを使用した丈夫な「軽量パネル」を採用しました。屋根への重量負荷を大幅に軽減しています。
鳥山社長は、「今回はペロブスカイト太陽電池の実用化までは待てませんでしたが、採用した太陽光パネルは、薄くて軽量で人が乗っても壊れないくらいの強度があります」といいます。
また、茨城にある冷生地工場にはパネルを載せられる大きくて平らな屋根があることから、ペロブスカイト太陽電池の実証実験の可能性も模索しているといいます。
結果と今後の展望
結果的に、同社は再エネプランの電力を調達して使用電力のCO2排出実質ゼロを達成するだけでなく、新たに太陽光パネルを設置して、2025年度に80万kWhの電力を自家消費し、発電由来のCO2約283tを直接的に削減しました(後掲画像を参照)。
今後は、福島の工場の屋根に太陽光パネル(450kW)と蓄電池(21kWh)の導入、茨城の冷生地工場の駐車場にカーポート型太陽光パネル(353kW)と蓄電池(21kWh)の導入を検討。特に福島の工場は室内が暑くなりやすく、屋根にパネルを置くことで室内の温度を下げる効果も期待しています。
福島工場については補助金が採択されなかったため、再び自己資金で太陽光発電を導入する予定だといいます。
また、自家消費量を増やす方法も検討しています。現状は、天候の良い日中に太陽光パネルで発電した電気を使いきれずに捨てているときもあり、「もったいない」といいます。そこで、同社は発電した電力を無駄なく活用するため、高性能の保冷剤などを活用し、蓄冷することでバッテリーの効果を発揮するなど、新たな技術の導入も検討しています。
鳥山社長は、「エネルギーを使う人が作る、という発想で、自分の家や工場に太陽光パネルを置いて電気を作るなら気持ちもいいし、経済的にも良い。太陽光発電が全部悪いみたいなイメージを持ったら、ちょっともったいないと思います」と話しました。

出典:株式会社リバティーフーズ
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株式会社リバティーフーズは、再エネ100宣言 RE Action(https://saiene.jp/)に参加しており、公式YouTubeチャンネルでは代表取締役社長の鳥山氏へのインタビュー動画を公開しています。
https://youtu.be/Oedm_cYvBiM?si=dNumvE39XynwbLvQ
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参考文献
・資源エネルギー庁「令和6年度 エネルギーに関する年次報告」https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2025/pdf/whitepaper2025_all.pdf
・株式会社帝国データバンク「価格転嫁に関する実態調査(2023年7月)」https://www.tdb.co.jp/report/economic/ej635nzah/
・東京電力パワーグリッド株式会社 「最終保障供給契約について」https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/lr/index.html
・再エネ100宣言 RE ActionインタビューNo27 株式会社リバティーフーズ 2026年1月22日https://youtu.be/Oedm_cYvBiM?si=Bt18N14OM3v5FoVF
・株式会社リバティーフーズ「温室効果ガス排出削減目標達成の見込み」2025年5月12日https://www.libertyfoods.co.jp/news/post-374.html
・株式会社リバティーフーズ「使用電力におけるCO2削減の取り組み(2025年度実績報告)」2025年5月29日
http://www.libertyfoods.co.jp/news/post-388.html
本記事は、再生可能エネルギーに関する取り組み事例を共有することを趣旨としたものであり、特定の事業者やプロジェクトを宣伝する広告(PR)記事ではありません。
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